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Column更新 2026.10.15(令和8年9月までに公表された消費者庁の監視結果等により更新)

健康食品で指導の例に多い表現は?「アンチエイジング」は?
(数字で見る健康食品・化粧品の広告規制)

消費者庁が公表している健康食品のネット監視(改善指導)の結果を3年分・12回集計し、指導の例に挙がった表現を分析いたします。「アンチエイジング」は12回中9回、「抗酸化作用」「女性ホルモンの活性化に働きかけ」は8回挙がっており、お茶や生鮮食品も対象になっています。数字を読むときの注意点や、これらの表現が問題になる理由、確認リストについてもご案内します。

健康食品の新しい商品ページや広告を作るときに、どのような表現が問題になりやすいのかは、多くの事業者が気にされる点です。消費者庁は、インターネット上の健康食品などの表示を監視し、健康増進法に違反するおそれのある表示について、事業者に改善指導を行っています。その結果は四半期ごとに公表され、令和5年度から令和7年度までの3年間で、延べ1,879事業者・2,053商品が改善指導を受けました。

健康食品の広告を作る場合は、病気の予防・治療や体の機能の増強をうたう表現がないか、美容・ダイエットの表現が誇張されていないかを、広告全体から確認することが大切です。言葉の言い換えや注意書きだけでは足りない点にも、注意が必要です。当事務所が、令和5年4〜6月期から令和8年1〜3月期までの消費者庁の発表12回分を集計したところ、「アンチエイジング」という表現は、12回のうち9回、指導の対象となった表示の例に挙がっていました。「抗酸化作用」「女性ホルモンの活性化に働きかけ」も8回、「脂肪燃焼」「生活習慣病予防」「ダイエット」も7回挙がっています。

本コラムでは、消費者庁の発表から読み取れる、指導の例に挙がった表現と商品の種類、数字の読み方の注意点、これらの表現が問題になる理由、広告を作るときに確認したい点を、消費者庁の公表資料とともに解説いたします。

この記事でわかること

  • 消費者庁の改善指導の例に、どのような表現が、何回挙がっているか(3年分・12回の集計)
  • サプリメント以外の食品も対象になっているか、数字を読むときの注意点
  • これらの表現が問題になる理由と、広告を作るときに確認したいこと

何を集計した数字ですか

消費者庁は、健康食品などを販売するサイトをキーワードで検索して目視で確認し、健康増進法65条1項(健康保持増進効果等についての虚偽誇大表示の禁止)に違反するおそれのある表示を見つけた場合に、事業者に改善指導を行っています。その結果は、「インターネットにおける健康食品等の虚偽・誇大表示に対する改善指導について」として四半期ごとに公表されています。

各回の発表には、「表示されていた健康保持増進効果等(一部)」という欄があり、指導の対象となった表示の例が、商品の区分ごとに並んでいます。本コラムの「12回のうち9回」は、12回の発表のうち、この欄に「アンチエイジング」が載っていた回が9回あった、という意味です。この欄は「一部」の例示なので、その表現を使っていた商品や事業者の数は分かりません。1回の発表の中で複数の区分に載っていても、1回と数えています。集計は年度(令和5〜7年度)で区切っていますが、最新の令和8年4〜6月期の発表にも、「アンチエイジング」は挙がっています。

なお、留意事項(後記)は、健康増進法・景品表示法の規定は、いずれも特定の用語や文言の使用を一律に禁止するものではなく、虚偽誇大表示等に当たるかどうかは、表示全体から、表示ごとに個別具体的に判断されるとしています(第1)。以下の表は、「この言葉を使えば違反」という一覧ではなく、指導の例に繰り返し挙がる表現の目安です。

指導の例に多く挙がった表現は、何ですか

表記どおりに数えると、最も多く挙がっていたのは「アンチエイジング」で、12回のうち9回でした。上位の表現は、次のとおりです。

表1 指導の例に挙がった表現(表記どおりに数えたもの。当事務所の集計)

表現(表記どおり)挙がった回数(12回中)
アンチエイジング9
抗酸化作用8
女性ホルモンの活性化に働きかけ8
脂肪燃焼7
生活習慣病予防7
ダイエット7
高血圧予防6
花粉症対策6
腸内環境改善6
美肌効果6

出典:消費者庁「インターネットにおける健康食品等の虚偽・誇大表示に対する改善指導について」の令和5年4〜6月期から令和8年1〜3月期までの12回分の「表示されていた健康保持増進効果等(一部)」の欄を、当事務所が集計したもの。「、」「・」で区切った単位で、表記が同じものだけを同じ表現として数えています(例えば、「美肌効果」と「美肌作用」は別に数えています)。欄は「一部」の例示のため、商品の数ではなく、例に挙がった回数を示しています。「アンチエイジング」が挙がらなかったのは、令和5年7〜9月期、同年10〜12月期、令和8年1〜3月期の3回です。

表記の違いをまとめて数えると、回数が変わる言葉もあります。

表2 表記の違いをまとめて数えた場合(当事務所の集計)

言葉その言葉を含む表現が挙がった回数(12回中)主な表記
美肌11美肌、美肌効果、美肌作用、美肌づくり
アンチエイジング9アンチエイジング
女性ホルモン9女性ホルモンの活性化に働きかけ、女性ホルモン活性化
老化9老化防止、老化予防、抗老化、血管の老化防止
抗酸化8抗酸化作用、抗酸化力向上
免疫8免疫力向上、免疫力アップ、免疫機能の向上
花粉8花粉症対策、花粉症改善、花粉対策
更年期8更年期障害緩和、更年期障害改善

出典:表1と同じ。その言葉を含む表現が、各回の欄に一つでもあれば1回と数えています。12回中8回以上の言葉を掲載しました。「脂肪」「肌」のように、意味の異なる表現が混じる言葉は除いています。

このように、言葉のまとまりで見ると、「美肌」を含む表現が12回中11回で最も多く、「アンチエイジング」を上回ります。本コラムの題名の回数は、表記どおりに数えたものです。

季節によって挙がる表現もあります。「夏バテ」は3回とも7〜9月期に、「熱中症」は4回のうち3回が7〜9月期に挙がっていました。

サプリメント以外の食品も、対象になっていますか

対象になっています。商品の区分ごとに見ると、カプセルや錠剤などの「いわゆる健康食品」が多くを占めますが、加工食品、お茶やコーヒーなどの飲料、生鮮食品も、指導の対象になっています。

表3 改善指導の対象となった商品の区分(商品数)

商品の区分令和5年度令和6年度令和7年度
いわゆる健康食品(カプセル、錠剤、顆粒状等)528(67%)433(59%)558(87%)
加工食品126(16%)149(20%)25(4%)
飲料等(茶、コーヒーなど)124(16%)100(14%)58(9%)
生鮮食品14(2%)52(7%)—

出典:消費者庁「インターネットにおける健康食品等の虚偽・誇大表示に対する改善指導について」の各回の発表の区分ごとの商品数を、当事務所が年度ごとに合計したもの。割合は区分の合計に対する比率で、四捨五入のため合計が100%にならないことがあります。令和7年度の各回の発表には、生鮮食品の区分の記載がありません(「—」としています)。令和6年度は、区分ごとの商品数の合計(734)が、発表の商品数の合計(620)を上回っています(理由は記載されていません)。そのため、令和6年度の割合は目安としてご覧ください。

健康増進法65条1項の対象となる「食品」には、錠剤やカプセルの形の食品だけでなく、野菜、果物、調理品など、外観や形状から明らかに食品と分かる物も含まれます(消費者庁「健康増進法第65条第1項の適用に関するQ&A」Q3)。

数字を読むときに、注意することはありますか

3つの点に注意が必要です。第一に、指導の例は、消費者庁が選んだ検索キーワードで見つかった表示から挙がっています。例えば、令和5年4〜6月期の発表には、主な検索キーワードとして「デトックス」「アンチエイジング」などが記載されています(同期の発表)。この期にこれらの言葉が指導の例に挙がっているのは、検索キーワードとして探した結果でもあります。検索キーワードが記載されているのは令和5年4〜6月期と7〜9月期の2回だけで、ほかの回の検索キーワードは分かりません。

第二に、監視の方法が途中で変わっています。令和6年4〜6月期まではロボット型全文検索システムを用いた検索、令和6年7〜9月期からは一般的な検索エンジンを用いた検索とされています(令和6年7〜9月期の発表など)。第三に、表示の例は「一部」なので、挙がった回数は、その表現を使った商品の多さを直接示すものではありません。回数は、「指導の例に繰り返し挙がる表現」の目安としてご覧ください。

これらの表現が問題になるのは、なぜですか

消費者庁の「健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について」(以下「留意事項」といいます)は、健康増進法の「健康保持増進効果等」に当たる表示を、例を挙げて整理しています。指導の例に多く挙がった表現には、同じ言葉か、これに近い言葉が、留意事項の例にも挙がっているものがあります。

表4 留意事項による「健康保持増進効果等」の分類と例

留意事項の分類(抜粋)留意事項の例(抜粋)
疾病の治療又は予防を目的とする効果「生活習慣病予防」「花粉症に効果あり」「便秘改善」「認知症予防」
身体の組織機能の一般的増強、増進を主たる目的とする効果「アンチエイジング」「老化防止」「免疫力を高める」「脂肪燃焼を促進!」「疲労回復」
人の身体を美化し、魅力を増し、容ぼうを変え、又は皮膚若しくは毛髪を健やかに保つことに資する効果「美肌、美白効果が得られます」「美しい理想の体形に」
健康保持増進効果等を暗示的又は間接的に表現するもの(名称・キャッチフレーズなど)「腸活」「血液サラサラ」「デトックス○○」「スリム○○」「妊活」

出典:消費者庁「健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について」第2の2(令和4年12月5日一部改定)。分類は本コラムに関係するものを抜粋しました。3行目は、健康増進法65条1項の「内閣府令で定める事項」の一つです。

留意事項によれば、健康保持増進効果等を表示したことで、直ちに虚偽誇大表示に当たるわけではありません。著しく事実に相違する表示や、著しく人を誤認させる表示をした場合に、健康増進法65条1項の虚偽誇大表示に当たります。

ただし、留意事項は、疾病の治療・予防を目的とする効果や、身体の組織機能の一般的増強・増進を主たる目的とする効果(表4の1・2行目)のような医薬品的な効能効果を標ぼうする物は、医薬品とみなされ、野菜、果物、調理品などの明らかに食品と分かる物を除き、原則として、医薬品としての承認を受けずに効能効果を広告してはならない(薬機法68条)としています。「アンチエイジング」や「生活習慣病予防」は、この類型の例として挙げられています。

一方、「美肌」「美白」のような美容の表示(表4の3行目)は、留意事項では、医薬品的な効能効果の類型としては挙げられていません。ただし、著しく事実に相違する表示や、著しく人を誤認させる表示に当たれば、健康増進法65条1項の問題になります。表2のとおり、「美肌」を含む表現は、12回中11回、指導の例に挙がっています。

広告を作るときは、何を確認すればよいですか

指導の例に挙がった表現と、留意事項の整理を踏まえて、確認しておきたい点として、次のようなものが挙げられます。

01効果をうたう言葉を、広告全体から書き出す

本文の説明だけでなく、商品名、キャッチフレーズ、成分の説明、「こんなお悩みありませんか?」のような悩みの例示、体験談、専門家のコメントからも、効果をうたう言葉を書き出します。留意事項は、こうした暗示的・間接的な表現も、健康保持増進効果等の表示に当たるとしています(留意事項第2の2(3))。

02病気の予防・治療や、若返り・体の機能の増強をうたっていないか

「生活習慣病予防」「高血圧予防」「花粉症対策」のような病気に関する表現や、「アンチエイジング」「免疫力向上」「脂肪燃焼」のような体の機能の増強に関する表現は、留意事項が医薬品的な効能効果の例として挙げる表現と同じか、これに近いもので、表1・表2のとおり、指導の例にも繰り返し挙がっています。

03美容やダイエットの表現が、実際の効果より誇張されていないか

消費者庁のQ&Aは、特定の成分について効果が得られるだけの分量を含んでいないのに、運動などをしなくても体脂肪などを燃焼させることをイメージさせる表示や、効果が現れない人がいることなどのデメリットを示さずに、メリットだけを断定的に示す表示を、人を誤認させる表示の例に挙げています(Q5)。表現の根拠となる資料と、表示の内容が対応しているかも確認します。

04体験談やアンケートの使い方が、誤解を招くものになっていないか

体験談を使うこと自体が、直ちに虚偽誇大表示に当たるわけではありません。しかし、都合の良い体験談だけを引用して、誰でも同じ効果が期待できるかのように示す表示は、人を誤認させる表示の例とされています。肯定的に書くよう特に依頼した体験談を、一般の利用者の体験談であるかのように示すことも問題になります(留意事項)。

05機能性表示食品・特定保健用食品は、届出や許可の範囲を超えていないか

機能性表示食品では、届出をした表示の一部を省略して、商品そのものに機能があるかのように示す表示が、事実に相違する表示の例に挙げられています(Q&AのQ5)。届出や許可を受けた表示の内容と、広告の表現を照らし合わせます。

よくある失敗の例

よくある失敗例としては、例えば、次のようなケースが挙げられます。

  • 「アンチエイジング」を別の言葉に言い換えただけで、「年齢とともに低下する○○成分」のような悩みの例示や、若返りを印象づける体験談を残している
  • 商品ページの説明は直したが、商品名やキャッチフレーズ(「デトックス○○」「スリム○○」など)に効果を暗示する言葉が残っている
  • 体験談に「個人の感想です」と添えれば足りると考え、効果を強調する体験談を並べている
  • お茶や野菜は食品だから問題ないと考え、「血液サラサラ」「便秘解消」とうたっている

このような失敗をしないように、言葉を一つずつ置き換えるのではなく、広告全体から受ける印象を確認する必要があります。

健康食品の広告の確認リスト

確認することポイント
効果をうたう言葉商品名・キャッチフレーズ・成分の説明・悩みの例示・体験談まで含めて書き出したか
病気の予防・治療病名や「予防」「改善」「対策」などで、病気に効くような表現をしていないか
体の機能の増強「アンチエイジング」「免疫力向上」「脂肪燃焼」「老化防止」などの表現がないか
美容・ダイエット効果を誇張していないか。運動なしで痩せるような印象を与えていないか
体験談・アンケート都合の良いものだけを選んでいないか。肯定するよう依頼した体験談を、一般の利用者の声のように見せていないか
届出・許可機能性表示食品・特定保健用食品の届出・許可の範囲を超えていないか
サプリ以外の食品お茶・加工食品・生鮮食品でも、同じ確認をしているか

よくある質問

Q

指導の例に挙がった言葉を、別の言葉に言い換えれば大丈夫ですか。

A

単純に言い換えただけでは足りません。留意事項は、名称やキャッチフレーズ、成分の説明、悩みの例示、体験談の引用などによって、効果を暗示的・間接的に表現するものも、健康保持増進効果等の表示に当たるとしています。留意事項は、虚偽誇大表示等に当たるかどうかは、表示全体から、表示ごとに個別具体的に判断されるとしています。

Q

体験談に「個人の感想です」と書けば、載せてもよいですか。

A

「個人の感想です」と書いても、それだけで問題がなくなるわけではありません。留意事項は、「個人の感想です」「効果を保証するものではありません」などと表示しても、虚偽誇大表示等に当たるかどうかの判断に影響を与えるものではない、としています。

Q

仕入れ先から提供された原稿を、そのまま使った場合はどうなりますか。

A

そのまま掲載した場合でも、内容が著しく事実に相違する表示や、著しく人を誤認させる表示に当たれば、健康増進法65条1項に違反するとされています(Q&AのQ5)。また、同項は「何人も」を対象としており、広告代理店なども規制の対象になりえます(同Q6)。

Q

指導の例に挙がっていない表現なら、使ってもよいですか。

A

指導の例に挙がっていない表現でも、問題になることがあります。発表に載る表示の例は「一部」で、消費者庁が選んだ検索キーワードで見つかった表示に限られます。表現を選ぶときは、指導の例にあるかどうかではなく、病気の予防・治療や体の機能の増強をうたっていないか、効果を著しく誇張していないかを確認します。

健康食品の広告の確認は、当事務所にご相談ください

当事務所では、健康増進法・景品表示法・薬機法と、消費者庁・厚生労働省の公表資料を踏まえて、健康食品・化粧品の広告の公開前の確認から、改善指導や措置命令への対応まで、お引き受けしております。

  • 新しい商品ページや広告の表現を、公開前に確認してほしい
  • 言い換えた表現で問題がないか、広告全体を見てほしい
  • 体験談やアンケート結果の使い方を見直したい
  • 広告代理店・制作会社として、広告主から依頼された表現が規制に触れないか確認したい

費用の目安としては、広告のスポットでの確認が110,000円から、改善指導や景品表示法の調査などの行政対応が着手金330,000円から、広告内容チェック顧問サービスが月額110,000円から承っております(いずれも消費税込みで、工数によって変わります)。ご相談はオンライン(Google Meet等)でも承っており、全国からご依頼いただけます。ご関心のある方は、本ウェブサイトのお問い合わせフォームよりご連絡ください。

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本コラムは2026年10月時点の法令・判例に基づいています(更新)。本コラムは、一般的な情報提供を目的として作成したものであり、個別の法律上のアドバイスではありません(その他、免責事項についてもご参照ください)。具体的な事案については、本ウェブサイトのお問い合わせフォームよりご連絡ください。

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