2022/01/05
【質問】
相続されない権利があると聞きました。どのような権利が相続の対象とならないのでしょうか?
【回答】
明文上の権利として使用貸借における借主の地位(民法597条3項)などがあるほか、裁判例上、一身専属的なものとして、相続されないとされている権利として、婚姻無効確認請求権や生活保護受給権などがあります。
権利の性質上、被相続人以外の者に帰属させることが適当ではない権利については、一身専属的なものとして、相続の対象から除外されます。まず、民法上、明文の根拠があるものとしては、
①代理における代理人の地位(民法111条1項)
②委任契約の当事者の地位(民法653条1号)
③使用貸借の貸主の地位(同597条3項)
④組合員の地位(民法679条1号)
⑤労働者の地位(民法625条2項)
があります。
また、民法上の明文規定はないものの、裁判例上、一身専属性が肯定された権利としては、
①親子関係の存否の確認を求める権利(名古屋地裁昭和42年4月14日決定)
②扶養債務(浦和家裁昭和55年9月16日)
③認知請求権(名古屋高裁昭和59年2月28日)
④婚姻無効確認請求権(最高裁平成元年10月13日判決)
⑤生活保護受給権(最高裁昭和42年5月24日判決)
などがあります。

