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SNSのなりすましアカウントによる肖像権・名誉感情侵害と携帯電話番号の発信者情報開示請求(東京高裁令和3年4月8日判決)

はじめに

SNS上では、他人になりすましてアカウントを登録し、その顔写真を無断で用いて投稿するといった行為が繰り返し問題となっています。このような行為の被害者は、加害者に対する損害賠償請求などの権利行使のため、SNSプラットフォームの運営事業者(プロバイダ等)に対して、プロバイダ責任制限法(以下「プロ責法」といいます。)4条1項に基づき、発信者情報の開示を求めることが一般的です。

もっとも、プラットフォーム事業者によっては、アカウント登録時にSMS方式(ショートメッセージサービス方式)による認証のみを行い、その結果、発信者の特定につながる情報として携帯電話番号のみを保有しているケースがあります。こうした場合、携帯電話番号がプロ責法4条1項の委任を受けた総務省令(特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律第四条第一項の発信者情報を定める省令。以下「本省令」といいます。)3号にいう「電子メールアドレス」に該当し、開示の対象となるかが争われます。

今回のコラムでは、Twitter(現在のX)上で氏名不詳者が原告になりすますアカウントを開設し、原告の顔写真を添付して投稿した事案について、東京高等裁判所令和3年4月8日判決(令和2年(ネ)第3155号。原審:東京地方裁判所令和2年6月26日判決)を取り上げ、企業の法務担当者・プラットフォーム事業者・SNS利用企業が押さえておくべき実務上の留意点を解説いたします。

本判決は、①なりすまし事案における肖像権・名誉感情侵害の判断枠組み、②本省令3号の「電子メールアドレス」にSMS方式による電子メールアドレス(携帯電話番号)が含まれるかという論点について、実務上参考となる判断を示しています。

事案の概要

本件は、ヴァイオリンを専攻する高校3年生であった原告(被控訴人)が、氏名不詳者(本件発信者)によるTwitter上の以下の行為により、肖像権および名誉感情を侵害されたとして、Twitterの運営事業者である被告(控訴人)に対し、プロ責法4条1項に基づき発信者情報の開示を求めた事案です。

事実内容
アカウントの登録平成30年8月頃、氏名不詳者が原告と同姓同名のアカウント名および「@✖▲■」という俗悪なユーザー名でTwitterアカウントを登録
投稿内容原告の顔写真を添付し、「b小→c中→d64期ヴァイオリン専攻 Aの裏垢」などと記載した投稿
原告に生じた影響通学先の高校においてクラスメイトから中傷され、保護者の間でも不当な噂が流布される事態

原告は、本件発信者に対する損害賠償請求権の行使のため、被告に対し、以下の発信者情報の開示を求めました。

請求内容
請求①本件発信者の氏名の開示
請求②SMTP方式(シンプルメールトランスファープロトコル方式)による電子メールに係る電子メールアドレスの開示
請求③SMS方式による電子メールに係る電子メールアドレス(携帯電話番号)の開示

被告は、請求①および請求②に係る情報を保有しておらず、請求③の情報のみを保有していました。

原審(東京地裁令和2年6月26日判決)は、請求③を認容し、その余を棄却しました。被告は、携帯電話番号が本省令3号の「電子メールアドレス」に該当しないと主張して控訴しましたが、東京高裁は控訴を棄却しました。

本件の争点

本件の争点は、以下のとおりです。

争点内容
争点①原告の権利(肖像権・名誉感情)が侵害されたことが明らかであるか
争点②被告が保有する携帯電話番号が本省令3号にいう「電子メールアドレス」に該当するか
争点③原告が発信者情報の開示を受けるべき正当な理由があるか

裁判所の判断

争点① 原告の権利侵害の明白性について

裁判所(原審の判断を控訴審も引用)は、まず、肖像権の基本的な枠組みについて、以下のとおり判示しています。

人の氏名、肖像等(以下、併せて「肖像等」という。)は、個人の人格の象徴であるから、当該個人は、人格権に由来するものとして、これをみだりに利用されない権利を有すると解される(最高裁判所平成24年2月2日第一小法廷判決・民集66巻2号89頁等)。

もっとも、人の肖像等を無断で使用する行為が不法行為法上違法となるかどうかは、対象者の社会的地位や、当該使用の目的、態様及び必要性等を総合考慮し、対象者の上記人格的利益の侵害が社会生活上受忍の限度を超えるものといえるかどうかを判断して決すべきである。

その上で、裁判所は、原告の肖像権が侵害されたことが明らかであると判断しました。判決は、以下の事情を考慮しています。

項目内容
原告の社会的地位原告は、ヴァイオリンのコンクールにおいて入賞歴があるものの、あくまで私人である高校3年生であって、肖像等を無断で使用されることを受忍しなければならない社会的地位にはないこと
なりすましの態様本件発信者は、原告と同姓同名のアカウント名を登録し、原告の経歴を紹介した上で「Aの裏垢」などと記載し、あたかも本件アカウントが原告自身の非公式のアカウントであるかのように装い、原告になりすまして投稿したこと
ユーザー名の内容「@✖▲■」というユーザー名のうち「✖」の部分は、女性を騙してもてあそぶことやそれを常習とする男性を意味する言葉を容易に想起させる文言であり、続く「▲」の部分と併せると自慰行為を想起させる読み方をする文言と受け取られかねないものであって、少なくとも俗悪な印象を与えるものであること
現実の被害原告が通学している高校において、他の生徒から揶揄され、保護者の間でも原告について不当な噂が流布されていることがうかがわれる状況にあること
目的の不当性本件発信者は、原告を不当に貶める目的で、原告になりすまして本件アカウントを登録・使用し、その一環として原告の顔写真を無断で使用したと認められ、顔写真の使用の目的は不当であり、必要性は認められず、使用の態様も悪質といわざるを得ないこと

その上で、裁判所は、以下のように結論付けました。

以上の各事情を総合考慮すると、本件投稿による原告の肖像権侵害は、社会生活上受忍の限度を優に超えるものというべきであり、本件投稿は不法行為法上違法となることが明らかである。

争点② 携帯電話番号の本省令3号「電子メールアドレス」該当性について

裁判所は、本省令3号にいう「電子メール」および「電子メールアドレス」には、SMS方式による電子メール(携帯電話番号)も含まれると判断しました。

判決は、発信者情報開示制度の趣旨について、以下のとおり整理しています。

プロバイダ責任制限法4条1項は、一定の厳格な要件が満たされる場合に限って、権利が侵害されたとする者の請求により、特定電気通信役務提供者にその保有する発信者情報の開示に応ずべき義務を負わせたものである。

……被害者の権利行使の観点からは、なるべく開示される発信者情報の幅は広くすることが望ましいが、一方で、……上記情報が個人のプライバシーに深くかかわる情報であって、表現の自由や通信の秘密として保護され得る事項であることに鑑みると、被害者の権利行使にとって有益であるが、必ずしも不可欠とはいえないような情報や、高度のプライバシー性があり、開示をすることが相当とはいえない情報まで開示の対象とすることは許されない。

その上で、裁判所は、以下の事情を踏まえ、本省令3号の「電子メール」にSMS方式による電子メールも含まれると判断しました。

項目内容
文言の解釈本省令3号の「電子メール」について、文言上何らの限定が付されていないこと
保護法益の観点プライバシー権・表現の自由・通信の秘密の観点から、電子メールの通信方法によりその侵害の危険性や程度が類型的に異なるものとは考えられないこと
立法趣旨本省令が電子メールアドレスを発信者情報の一つとして定めたのは、氏名や住所を通常は保有せず電子メールアドレスやIPアドレスしか記録していない特定電気通信役務提供者が存在することを踏まえ、そのような事業者が保有する発信者の情報を得られるようにするためと解されること
関連法令との整合性特定電子メール法2条3号の「電子メールアドレス」の定義は本省令と同一であり、かつ「電子メール」「電子メールアドレス」の定義については特定電子メール法を中心とした体系的な構造が構築されているため、本省令も特定電子メール法等と整合的に解釈すべきこと
立案者の意図本省令制定時の立案者は、特定電気通信役務提供者が発信者の電話番号を保有している場合には通常住所や氏名も保有しているとの認識の下、住所や氏名が開示される場合にそれに加えて電話番号を開示させる必要性は低いとして発信者情報開示請求の対象から電話番号を除外したと解されること

控訴審は、特に立案者の意図について、以下のように判示しました。

本省令の立案者が、特定電気通信役務提供者において、SMS方式による電子メールに係る電子メールアドレス以外に発信者の特定のための情報を保有しておらず、SMS方式による電子メールに係る電子メールアドレスが、発信者の特定のための唯一の情報であるような場合(本件のような場合)までを念頭に置いて、これが電話番号と同一の数字の列であることを理由に、これを発信者情報開示請求の対象に含むという解釈を許さないということまで意図していたとはいえない。

その上で、裁判所は、以下のとおり結論付けました。

特定電子メール法等は、SMS方式による電子メールの利用の実態等を踏まえて、特定電子メール法等の対象として当初含まれていなかったSMS方式による電子メールを加えたものと解され、この趣旨は本省令についても当てはまることからすれば、SMS方式による電子メールに係る電子メールアドレスは本省令3号の「電子メールアドレス」に含まれるというべきである。

なお、被告は、パブリックコメントにおける総務省の公式見解(電話番号を発信者情報開示請求の対象としないこと)を根拠に反論しましたが、裁判所は、ここでいう「電話番号」は氏名・住所・ファックス番号と並列的に用いられる身元確認のための個人情報としての電話番号を指すものであって、SMS方式による電子メールに係る電子メールアドレスとしての携帯電話番号を指すものではないと整理し、被告の主張を採用しませんでした。

争点③ 発信者情報開示を受ける正当理由について

裁判所は、原告が本件発信者に対して不法行為に基づく損害賠償請求を行うため、被告が唯一保有するSMS方式による電子メールに係る電子メールアドレスの開示を受ける必要があると認め、その開示を受けることについて正当な理由があると判断しました。

コメント

本判決(控訴審)および原審判決は、SNS上のなりすまし事案における肖像権・名誉感情侵害の判断枠組みと、プロバイダ責任制限法における発信者情報の範囲に関する実務上重要な論点について、参考となる判示を示しています。企業の法務担当者のみならず、SNS等のプラットフォームを運営する事業者、SNSを業務で利用する企業にとって押さえておくべき視点を複数含んでいます。

(1)なりすまし事案における肖像権侵害の判断について

本判決は、最高裁判所平成24年2月2日判決(民集66巻2号89頁)の示す判断枠組みに従い、肖像等の使用が不法行為法上違法となるかどうかを、対象者の社会的地位、使用の目的・態様・必要性等を総合考慮して、人格的利益の侵害が社会生活上受忍の限度を超えるか否かで判断する枠組みを採用しました。

その上で、原告が私人である高校3年生であったこと、なりすましが原告を不当に貶める目的でなされたこと、ユーザー名に俗悪な意味合いが含まれていたこと、現実にクラスメイト等から中傷される被害が生じていたことなどを総合的に評価し、受忍限度を超えると判断しました。

SNS上のなりすまし行為が問題となる事案では、ユーザー名・アカウント名の意味内容、なりすまし対象者の社会的地位、現実の被害の有無などが、違法性判断を左右する考慮要素となることが確認されています。

なお、SNS上のなりすまし行為による権利侵害の明白性については、事案ごとに個別の事情を踏まえて判断されており、下級審の裁判例においても判断が分かれています。参考となる裁判例として、以下のものが挙げられます。

判断裁判例
侵害の明白性を肯定東京高判平30.6.13判時2418号3頁
侵害の明白性を肯定大阪地判平29.8.30判タ1445号202頁
侵害の明白性を否定大阪地判平28.2.8判時2313号73頁 等

本判決は、侵害の明白性を肯定した流れに位置付けられ、加害者の目的・態様の悪質性と被害者に生じた現実の不利益を重視した判断を示したものといえます。

(2)発信者情報開示制度の趣旨と制度設計について

原審判決は、本省令3号の「電子メールアドレス」の解釈を検討するにあたり、プロバイダ責任制限法および本省令の制度設計の背景について、整理を示しています。すなわち、特定電気通信による情報発信は、権利侵害情報の発信が容易で被害が拡大しやすいという性質を持つ一方、匿名・仮名による発信により加害者の特定が困難となるため、被害者の権利回復のためには特定電気通信役務提供者からの発信者情報取得が必要となります。

他方で、発信者情報は、プライバシー、匿名表現の自由、通信の秘密として保護されるべき情報であり、いったん開示されると原状回復が困難です。

このような利益衡量を踏まえ、本省令は開示対象となる発信者情報を「必要最小限の範囲に予め限定」して限定列挙したものであり、本省令3号の「電子メールアドレス」の解釈にあたっては、被害者救済の必要性と発信者の権利保護のバランスをいかに確保するかが実質的な問題となります。本判決および原審判決は、このバランスを踏まえつつ、プラットフォーム事業者が発信者の特定に資する情報としてSMS方式による電子メールアドレス(携帯電話番号)しか保有していない場合における被害者救済の実効性を確保する解釈を示したものと位置付けることができます。

(3)携帯電話番号の発信者情報該当性に関する解釈について

本判決は、本省令3号の「電子メールアドレス」にSMS方式による電子メールに係る電子メールアドレス(携帯電話番号)が含まれるとの解釈を示しました。この結論は、SNSプラットフォーム事業者のうち、アカウント登録時にSMS認証のみを行い、氏名・住所・SMTP方式の電子メールアドレス等を保有しないケースにおいても、発信者情報開示請求の実効性を確保するという観点からみて、被害者救済の視点を重視したものと評価できます。

なお、本判決および原審判決は、この解釈上の論点について単独で新たな判断を示した先駆的裁判例というわけではなく、先行する下級審裁判例(東京地判令元.12.11判時2447号11頁、東京地判令2.4.7判例秘書登載)と同じ方向の判断に属するものです。本判決は、特定電子メール法等における「電子メール」概念の拡張と本省令3号の文言に限定がないという構造的理由の両面を踏まえて、詳細な理由付けを示した裁判例として位置付けることができます。

(4)立法時の想定と現代的解釈の関係について

本省令が制定された平成14年当時、立案者は、SMS方式による電子メールを本省令3号の「電子メール」として具体的に想定していなかったと認められます。しかし、裁判所は、立案者が保有情報として携帯電話番号しか存在しない場面までを念頭に置いて、これを開示対象から除外する意図までは有していなかったと整理しました。その上で、特定電子メール法等の制定・改正を経て、「電子メール」および「電子メールアドレス」という法令用語について体系的な構造が構築されていることから、本省令もこれと整合的に解釈すべきであるとしました。

特に、原審判決が整理した関連法令の改正経緯は、本件の解釈の前提として重要ですので、主な出来事を以下のとおり整理します。

時点出来事
平成14年4月17日特定電子メール法制定(「電子メール」をSMTP方式に限定)
平成14年5月22日本省令制定
平成17年11月1日特定電子メール法施行規則の改正によりSMS方式が「電子メール」に追加
平成21年特定電子メール法関係の総務省令整備(SMS方式を含む通信方式の明確化)
平成23年・27年本省令改正(発信者情報としての電話番号は追加されず)
平成25年プロバイダ責任制限法3条の2新設(公職の候補者等に係る特例)

原審判決は、このうち平成17年11月1日の施行を境に、本省令3号の「電子メール」にSMS方式による電子メールも含まれることとなったと明確に位置付けている点が注目されます。法令の文言解釈にあたっては、制定当時の具体的想定のみならず、その後の関連法令の整備や技術・サービスの進展を踏まえた体系的解釈が必要となることを示した判示といえます。

(5)「電話番号」と「SMS電子メールアドレスとしての携帯電話番号」の区別について

被告は、総務省のパブリックコメント回答等において電話番号を発信者情報開示請求の対象としない旨が示されていることを反論の根拠としましたが、原審判決および本判決は、この「電話番号」の意味について、以下のとおり機能的な区別を示しました。

区分内容発信者情報開示請求の対象
身元確認のための個人情報としての電話番号氏名・住所・ファックス番号と並列的に用いられる、発信者本人を特定する個人情報としての電話番号対象に含まれない(総務省のパブリックコメント回答で除外が明確化されたもの)
SMS電子メールアドレスとしての携帯電話番号特定電気通信役務提供者が、発信者の特定のための情報として保有している、SMS方式による電子メールの利用者を識別するための番号本省令3号の「電子メールアドレス」に該当し、対象に含まれる

この区別は、プラットフォーム事業者が発信者情報開示請求を受けた際の判断枠組みとして参考となります。プラットフォーム事業者が「単なる連絡先としての電話番号」を保有しているにすぎない場合には開示対象とならない一方、「SMS認証等のために発信者識別情報として保有している携帯電話番号」は開示対象となり得るという整理です。プラットフォーム事業者側としては、自社が保有している情報が上記のいずれに該当するかを整理した上で、開示請求への対応方針を検討することが求められます。

(6)本判決後の省令改正と本判決の実務上の意義について

本件の原審判決(東京地裁令和2年6月26日判決)の言渡し後、令和2年8月31日付けで本省令が改正されています(令和2年総務省令第82号、同日施行)。この改正により、改正前の本省令3号とは異なり、SMS方式による電子メールの利用者識別番号としての電話番号にとどまらず、「発信者の電話番号」が発信者情報開示の対象として一般的に明示されることとなりました。この改正は、本件原審の弁論終結後に開催された「発信者情報開示の在り方に関する研究会」における、被害救済の実効性確保の観点からの議論を経て実現された立法的対応と位置付けられます。

したがって、現時点においては、電話番号の開示の可否について本判決が示したような解釈論に依拠する必要は原則としてなくなっています。

もっとも、本判決および原審判決が採用した「特定電子メール法等との体系的整合性を踏まえて本省令3号の『電子メール』『電子メールアドレス』を解釈する」という手法は、今後のIT技術の進展により新たな方式の電子的連絡手段が登場し、本省令3号の適用範囲に関する解釈上の疑義が生じた場合において、参考となる考え方を提供するものといえます。

(7)SNS上のなりすまし被害への対応について

企業の役員・従業員がSNS上でなりすましの被害に遭うケースや、企業の商品・サービスに関連してなりすましが行われるケースも増えています。本判決の考え方によれば、被害者は、プラットフォーム事業者が発信者に関するいかなる情報を保有しているかを見極めた上で、効果的な発信者情報開示請求を行うことが求められます。なお、令和3年改正のプロ責法(令和4年10月施行)により、発信者情報開示命令という新たな手続が整備され、発信者情報の開示手続の簡素化・迅速化が図られていますので、現時点では併せてこれらの手続の活用も検討すべきです。

おわりに

SNS上のなりすましや中傷をめぐる紛争は、肖像権・名誉権・名誉感情といった人格権の保護、発信者情報開示請求の制度運用、プラットフォーム事業者の責任範囲など、多様な論点が交錯する分野です。本判決が示した肖像権侵害の判断枠組みおよび発信者情報の範囲に関する解釈は、個人被害者のみならず、企業・役員・従業員が被害者となる場面でも参考となります。

SNS上のなりすまし・誹謗中傷等の被害への対応、発信者情報開示請求の手続選択、プラットフォーム事業者としての開示請求への対応方針の整備などについてご不安がある場合には、紛争が顕在化する前に、弁護士にご相談いただくことが有益です。

当事務所は、プロバイダ責任制限法に基づく発信者情報開示請求、SNS上の権利侵害への対応、プラットフォーム事業者の法的対応に関するご相談・ご依頼を受けており、被害者側・プラットフォーム事業者側双方の立場から幅広くサポートしております。


本コラムは、一般的な情報提供を目的として作成したものであり、個別の法律上のアドバイスではありません。具体的な事案については、本ウェブサイト右上の問い合わせフォームよりご連絡ください。