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再度の執行猶予とはどのような場合に認められるのか?【弁護士解説】刑事弁護に関する良くあるご質問

【質問】

執行猶予期間中に再び犯罪行為に及んでしまったのですが、もう一度、執行猶予となること(再度の執行猶予)は可能でしょうか?

刑事弁護のご依頼・ご相談をいただくと、再度の執行猶予について、ご質問をいただくことがあります。

結論から言うと、再度の執行猶予は、実務上、極めて限定的で狭き門であると言わざるを得ません。ただし、可能性はゼロではなく、法律上の要件を満たす場合には、再度の執行猶予の獲得に向けて、最善を尽くすべきです。

以下、再度の執行猶予について、解説いたします。

 

再度の執行猶予の要件

まず、再度の執行猶予はどのような場合に可能なのでしょうか?

再度の執行猶予については、刑法25条2項により、以下の要件が定められています。

 

①言渡しの時点で執行猶予中の者であること

②言い渡すべき宣告刑が1年以下の懲役または禁錮であること

③情状に特に酌量すべきものがあること

保護観察に付されていないこと

 

このため、既に保護観察に付されている場合、再度の執行猶予が付されることはありません。

 

再度の執行猶予が付くとどうなるのか?

それでは、再度の執行猶予が付くと、どうなるのでしょうか?

再度の執行猶予も当然、「執行猶予付き判決」ですので、執行猶予期間が経過すれば刑の言渡しはその効力を失います。

ただし、再度の執行猶予の場合には、必ず保護観察が付きます。

このため、保護観察の遵守事項を良く理解したうえで、執行猶予期間を過ごす必要があります。

 

再度の執行猶予の可能性

それでは、再度の執行猶予となる可能性は、実務上、どの程度あるのでしょうか?

結論から言うと、とても厳しいのが実情であると言わざるを得ません。

その理由としては、まず、先程説明をした要件②について、1年以下の懲役または禁錮となるような事件は、実務的にはそもそもかなり限定されます(交通違反事件や常習性のない窃盗(万引き)、占有離脱物横領(置き引き)くらいでしょうか?)。

また、要件③も、初犯の場合には、「情状により」執行猶予が付されるのに対し、再度の執行猶予の場合には、「特に酌量すべきもの」が必要とされており、この要件についても裁判所は簡単には認めてくれないからです。

このため、再度の執行猶予は「狭き門」であると言わざるを得ません。

ただし、「狭き門」であることは間違いないですが、実際に再度の執行猶予を認めている裁判例もあります。

 

再度の執行猶予を認めた裁判例

たとえば、再度の執行猶予を認めた近時の裁判例として、以下のものが挙げられます。

・軽度の知的障害、摂食障害の診断を受けている被告人が窃盗罪の執行猶予期間中に犯した食料品の万引きの窃盗事件について、精神疾患による責任非難の低減等を考慮し、再度の執行猶予を付した事例(東京地裁平成27年 5月12日判決・判例タイムズ1430号247頁)

・窃盗事犯による執行猶予期間中に犯した窃盗(万引き)の事案について,犯行はクレプトマニアという衝動制御障害に加え摂食障害や顕著な溜め込みなどの精神症状が関連しているとした意見書を踏まえ、犯行には被告人の上記精神症状による衝動制御の障害が影響しており、被告人が現在その治療中で現にその治療効果も上がっていることなどの事情を考慮して、被告人を実刑に処した原判決を破棄し、保護観察付き執行猶予とした事例(東京高裁平成25年 7月17日判決・東高刑時報 64巻152頁)

 

おわりに

前述のとおり、再度の執行猶予が実務上「狭き門」であることは否定できません。

しかし、可能性はゼロではなく、要件を満たす場合には、再度の執行猶予の獲得に向けて、最善の努力をすることが大切であり、そのプロセスが被告人の更生に繋がると思います。

 

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